病医院経営の今をお伝えするコラム
マーケティング・ヒント「院内での説明を統一しておこう」
皆さんの医院では、歯科衛生士の間で患者さんへの説明を統一していますか?ある歯科医院で、一人の歯科衛生士に、患者さんが医院で推奨している歯ブラシを買いたいと伝えたとき、私はこれが良いと思いますがこの医院では置いていないのでといって、市販の歯ブラシと歯磨剤を薦めました。医院で推奨しているものは、歯科衛生士ミーティングで話合って決めたものでしたが、その人の意見とは違っていたのです。
この歯科衛生士に説明をうけた患者さんはどう感じるでしょうか。
例えば、コンビニA店で、お客さんがおにぎりを選んでレジに持ってきたとき、店員が「これよりも、コンビニB店の金しゃりおにぎりのほうがおいしいですよ」と言ったら、どうでしょうか。
そのお客さんは、持って来たおにぎりを買うでしょうか。また、次からコンビニB店へ行って、そのおにぎりを買うでしょうか。そして、その店員をどう思うでしょうか。そして、コンビニA店の店長は、その店員をどう思うでしょうか。
恐らく、そのお客さんは、「変な店員だな」と思うでしょう。次はコンビニB店で金しゃりおにぎりを買うかも知れませんが、コンビニA店のおにぎりが好きならコンビニB店には行かないでしょう。
そして、当然ながら、店長に知れると厳しく叱られるでしょう。
これは歯科医院でも同じです。患者さんはこの歯科衛生士をどう思うでしょうか。果たして、「素晴らしい人だな、自分には本当のことを教えてくれる、この歯ブラシと歯磨剤を買いに行こう」、と思うでしょうか。「医院に置いてないものを薦めるなんて、変なスタッフだな」と感じるのではないでしょうか。
また、この歯科医院をどう思うでしょうか。「よい人材を雇っているな」と思うでしょうか。そして、「あまりよくない商品を置いているのかな」と思うのでしょうか。むしろ、「医院の推奨と違うものを薦めるなんて、この人大丈夫かな」と思うのではないでしょうか。
では、医院として薦めているものより、自分の考えている歯ブラシや歯磨剤のほうがよいと思った場合、どうするのがよいでしょうか。
まず、「医院として薦めているのはなぜなのか」を考えてみる必要があるでしょう。それに納得がいかなければ、歯科衛生士ミーティングで提案してみてはどうでしょうか。自分なりに、メリットとデメリットを調べて説明すれば、その歯ブラシと歯磨剤も置いてくれるかも知れません。
患者さんは、医院を信頼して通院してくれています。歯科衛生士の説明がバラバラだった場合、信頼できないと感じてクレームを受けることがあります。そうなると、せっかく定期的に予防に来院していた患者さんが、不信感を抱いて来なくなってしまう危険もあるのです。
医院として推薦しているものには、それなりの理由があります。しかし、新製品もどんどんでています。自分が、もっとよい製品がでているの知って、それを医院に置いて患者さんに使ってもらいたいと思ったら、歯科衛生士ミーティングで提案して話合ってみましょう。みんなが賛成してくれれば、医院として推薦できるようになるのです。院内での説明は統一して、身勝手な言動は避け、医院としての信頼感を損なわないようにすることが必要です。
以上