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歯科経営
2022年11月07日

コンサルタントの視点から:「マイナ保険証を考える」

 2024年秋を目途に健康保険証を原則廃止する調整に入りました。来年4月から、オンライン資格確認が義務づけられ、マイナンバーカードを保険証として利用する「マイナ保険証」に一本化する方向性です。今回はマイナ保険証の歯科医院への影響と対策について考えてみたいと思います。

 マイナ保険証の導入による医療機関にとっての主なメリットは次の3つがあげられます。 

1. 「限度額適用認定証」などの事前申請が不要になる:マイナ保険証を利用すると「限度額適用認定証」を自動適用するため、入院費や手術料などで高額になる場合も、自動的に自己負担限度額までになり、高額療養費の申請が不要になります。従来は窓口で全額を支払ったうえで「高額療養費制度」の利用を申請し払い戻しを受けるという手続が必要でした。病院では事務取扱が大きく減少し、患者にとっても高額の医療費を一旦納付せずにすむため、大きなメリットと考えられます。

2. 「特定健診情報」「薬剤情報」「医療費」の閲覧ができる:マイナポータルで「特定健診情報」「薬剤情報」「医療費」の閲覧ができます。HBV、HCV、HIVなどの既往歴や、ビスホスホネート系薬剤の投与情報が分かるため、医療安全の向上に役立つと考えられます。

3. 転職・退職・引越しても健康保険証として使える:転職や退職で無効になった健康保険証を持参されることがありますが、届け出をすれば健康保険証として使えるので、これまでのように期限切れ保険証を使用されたことによる面倒な手続がなくなります。

 次に、主なデメリットは次の3つです。

1. オンライン資格確認に対応した医療機関や薬局しか使えない:カードリーダーの申し込み率が80%程度で、現状の参加率が30%台となっており、マイナ保険証を実際に使用できる医療機関や薬局は半数に満たないと予想されます。

2. マイナンバーカードに有効期限がある:マイナ保険証はマイナンバーカードの有効期限が来ると更新しなければなりません。発行日から10回目の誕生日(18歳未満の方は5回目の誕生日)で更新手続が必要になります。認知症などで気づかなかった場合は、失効した日から健康保険証として使用できなくなります。重大な影響が出るでしょう。

3. マイナ保険証を忘れる患者や返し忘れが増える可能性がある。:高齢者は紛失を怖れてマイナンバーカードを持ち歩くことに抵抗を感じる人が多いと考えられます。そのため、受診に際して忘れてくるケースが健康保険証よりも増えるのではないかと懸念されます。また、マイナカードを預かって、返し忘れや紛失などが起きる可能性があります。健康保険証より重大な問題になりかねません。

 マイナ保険証への移行は、国や保険者にとって大きなメリットがあります。それは健康保険証の発行に要する膨大な事務手数が省略できることです。また、マイナンバーカードには有効期限があるため、例えば、無職の子息が高齢の両親の死亡届をださずに年金を不正受給しているケースでも、移行段階で生存しているかどうか確認でき、さらに10年の有効期限があるため定期的に確認することができます。
今後、マイナ保険証が増えると予想されるなかで、歯科医院でできる対策は、できるだけ受付の混乱を防止することです。「マイナンバーカードは預からない、コピーを取らない、すぐに返す」という3原則を、スタッフに徹底していくことが必要でしょう。 
                                            以上

執筆コンサル

木村  泰久

木村 泰久

(株)M&D医業経営研究所
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