病医院経営の今をお伝えするコラム
マーケティング・ヒント「患者さんの身になって考えよう」
ちょっとした不満が、大きなクレームや不満につながっていくことがあります。大阪ではクリニックで放火殺人がおきました。できるだけ「患者さんの身になって考える」ことが大切になっているのです。では、患者さんの「身になる」とはどんな意味でしょうか。それは、「患者さんの立場にたって、心理的や、肉体的な痛みに配慮する」ということです。考えてみましょう。
【事例1】患者さんから、金曜日に翌日の土曜日の予約が入ってきました。土曜日は予約がいっぱいです。でも、金曜日の今日は、予約が少し入れる時間があります。こんなときはどう対応すればよいでしょうか?
・ 回答の一例:「お痛みですね、お調べしますのでお待ちください。明日の土曜日はあいにくすべて予約が塞がっておりますが、ドクターに入れそうなお時間を訊いてみますので少々お待ちいただけますか?」「大変お待たせいたしました。明日土曜日の○時頃はご都合いかがでしょうか。応急的な処置になりますが対応させていただきます。また、本日の○時頃でしたら応急処置にはなりますがご予約をお取りできます。来週の火曜日の○時でしたら通常のご予約が可能です。いかがでしょうか?」
【事例2】すべての初診患者の口腔内写真を撮影する歯科医院が増えています。ある日の夕方、医院に中年の女性患者が奥歯のお痛みで来院されました。歯科衛生士のA子さんが口腔内写真を撮影しようとお口を見ると、口角が少し荒れて切れているようです。この日は少し治療が遅れていました。すぐそばのモービルキャビネットを開けたら、大きな口角鈎がありました。小さなものは後ろのキャビネットです。自分としては、口を大きく開けたほうがきれいに5枚法を撮影できるし、診療も少し押しているので少し時間も節約したいところです。どうしますか?
・ 回答の一例:「お口の写真をお撮りしますね。少しお口を広げますが、できるだけ痛くしないようにしますね。ちょっとお待ちください」と声掛けをして、口唇にワセリンを塗布し、小さなほうの口角鈎を取りにいって撮影します。撮影中も、「大丈夫ですか?」と声掛けをしながら両側を強く引かないようにして、片側ずつ引いて撮影します。
(「大丈夫ですか?」はマジックワードです。これを聞かれると、大丈夫という感じがします。そして、多少痛くても我慢できてしまい、終わったあとは「大丈夫だった」と感じるのです。)
ところで、ネットでクレーム投稿をGoogleに書きこまれたら、「その医院に対する評価という事実である」として消してもらえません。もし、こんな書き込みをされたらどうな気持ちがするでしょうか。話合ってみましょう。(※これはデンターネットのブラック投稿からの抜粋です。)
⇒「治療は大満足です。丁寧で痛みのない治療をしてくれますし、自己負担分の費用が良心的です。担当医は親切で紳士的です。しかし、受付や歯科衛生士かな?の患者に対する接遇の質は悪いです。接客とかサービスとはどういうものか学んだことがないならば学ばなければいけないと思うし、学んだことがあるのにあの態度ならば確信犯ということになり、さらに悪質です。」
以上