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歯科経営
2026年01月29日

マーケティング・ヒント:「キャンセルが出たら呼べる患者さんを作ろう」

執筆した医業経営コンサルタント

木村  泰久

木村 泰久

(株)M&D医業経営研究所
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予防歯科が歯科経営にとって重要になっています。
しかし、「SPTやP重防の予約枠が埋まらない、衛生士列が埋まらない」という悩みをよく聞きます。
どうすればよいのでしょうか。

20年ほど前になりますが、私のセミナーの講師に、クライアント医院で主任衛生士をされていた、杉本美栄子さんをお迎えしました。彼女は、日本歯科グループ(米国ニューヨーク市)にて、1年半にわたって米国の歯科医院で勤務し帰国されたばかりでした。

そのセミナーで印象に残ったことがいくつかありますが、特に、
「自分はキャンセルで予約が空いたとき、電話ですぐに呼び出せる患者さんをたくさん持っています。」
と話されていたことが強く印象に残りました。
杉本さんは、自分が担当している予防の患者さん、医院に治療に来ている患者さんに、キャンセルがでると電話をかけてご案内していたのです。

杉本さんが勤務されていた医院は、都心のオフィスタワー向かいの地下鉄駅そばという好立地で、チェアが3台しかないためいつも混み合って、治療予約は2週間以上先、曜日や時間によっては3週間先という状態でした。定期予防の患者さんは何か月も先までいっぱいになっていました。

杉本さんは、20人電話をかけて実際に来院してくれるのは、せいぜい3人くらいとおっしゃっていました。人間は断られると自尊心が傷つきます。つまり、心が折れる辛い仕事なのです。

しかし、杉本さんは笑顔でこう話していました。

「やりかたは簡単です。治療で来院された患者さんに次のアポイントを説明するとき、2週間以上先になる場合は、『もしよろしければ、キャンセルがでたときにご連絡を差上げましょうか?』と声をかけるのです。
もちろん、私が話しやすいと感じ、確実に来院してくれそうな患者さんだけです。それは、患者さんの治療中の態度や、終わってからの笑顔や会話で分かるのです。
そして、『お願いします。』といってくれた患者さんの名前と携帯電話番号をメモしておくのです。
キャンセルや予約変更で空きが出ると、キャンセル待ちの患者さんの次の治療内容や次の予約日を考えながら順番に電話をかけていくのです。」

杉本さんの話が終わって質疑になったとき、ある歯科医院のスタッフから、
「歯科衛生士が患者さんに電話をして呼び出してよいのでしょうか。私はなにか別の商売のようで嫌な感じがするのですが。」と聞かれたのです。

杉本さんは次のように回答されました。

「私は、ご予約が空いたことをお伝えするのは当然のことと思っています。実際、これまで私が勤務していた歯科医院ではみんなやっていました。予約が3週間先やひと月先になることもあるので、患者さんは治療が早くなると喜んでくれます。待っている間が不安だからです。また、治療中の患者さんの予後も良くなります。」

別の歯科衛生士から、「電話のリストは医院で共有しているのですか?」という質問がありました。
杉本さんは、「電話しやすい患者さんは人によって違います。個性やお互いの相性があるので、医院として共有することは難しいと思います。一人ひとりが、電話しても大丈夫な患者さんのリストを作っておくことが長続きする秘訣です。」と回答されていました。

歯科衛生士の予約列で空きを作らないことが大切です。
そのためにキャンセルがでたらご案内できる患者さんを作っておきましょう。そして、キャンセルがでたら電話でご案内しましょう。
患者さんにも、医院にも、よいことばかりだと思います。              

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