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歯科経営
2023年12月01日

コンサルタントの視点:「窓口負担のキャッシュレス払いを考える」

1.はじめに
 厚生労働省保険局医療課は、9月29日付けの事務連絡で、窓口負担のクレジットカードや電子マネーによる支払いについて、「患者の利便性向上、医療機関等における事務の効率化の観点から差し支えない」とした。これまでは、キャッシュレス払いはポイントが付与されるため療養担当規則上の問題があるのではないか、と導入をためらう医院が多かったようだが、今後はキャッシュレス払いを導入する医療機関が増えると考えられる。

2.今回の通達の内容
 一部負担金の値引きやポイント付与や景品などによる経済的利益の提供による患者誘因は療養担当規則 第二条で禁止されている。付与されたポイントを一部負担金の支払にあてることはその減免にあたり、保険調剤等で他の商品の購入よりも高いポイントを付与することも一部負担金の減免と受け取られる場合がある。しかし、今回の厚生労働省保険局医療課の事務連絡、「医療機関等における一部負担金のキャッシュレス支払いについて」は次のような内容である。

(1) 医療機関等における一部負担金の支払いにおいて、現金と同様の支払い機能を持つクレジットカード や、一定の汎用性のある電子マネーによる支払いを利用することは、患者の利便性向上、医療機関等における事務の効率化の観点から差し支えない。

(2) キャッシュレス支払いに生じるポイントの付与は、あくまで当面やむを得ないものとして認める。

(3) 次のいずれかに該当する医療機関等は、口頭による指導を行い、改善が認められない場合は個別指導を行うことがある。

①ポイントを用いて一部負担金を減額することを可能としているもの
②一部負担金の1%を超えてポイントを付与しているもの
③一部負担金に対するポイントの付与について大々的に宣伝、広告を行っているもの

つまり、一部負担金の支払いにクレジットカードや電子マネーを使うのは差し支えないし、一部負担金の支払にカード会社などのポイントが付与されるのはやむを得ないが、ポイントで窓口負担金の全部または一部を支払わせてはいけない。また、医院独自のポイント制をつくったり通常のポイントに加点したりしてはいけない。さらに、クレジットカードや電子マネーで保険の一部負担金を支払ってもポイントが付与されることを強調して広告してはならない、ということである。

3.まとめ
私は以前から歯科医院では保険でもクレジットカードが使用できるようにするようにアドバイスしてきた。それは、カード払いが増えることで釣り銭の渡し手間や現金出納のミスが減少するほか、患者さんの利便性の向上が会計待ちの短縮に直結するからである。しかも、保険でもカードが使えることをホームページで告知しておくと一定の集患効果が期待できる。これに対してカード払い手数料が発生するが、1.3%程度まで下がってきた。保険診療のカード払い手数料は3割負担に対する1.3%であり、保険診療報酬全体からみれば0.39%に過ぎない。つまり、大きな費用対効果が得られるわけである。
しかし電子マネーはあまりお勧めしていない。手数料が高いほか、多くの支払手段を導入すると受付の事務負担が増大し、患者を待たせるほかミスの発生につながりかねないからである。
また、前述のようにポイント制を強調した広告は禁止されている。留意していただきたい。   
                                            以上

執筆コンサル

木村  泰久

木村 泰久

(株)M&D医業経営研究所
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