病医院経営の今をお伝えするコラム
『施設基準のシミュレーション編/前編』
はじめに…
施設基準の中から申請したい注目の施設基準あえて3つ選びました。
その理由のひとつとして、過去に何度も申請して認可を受けたという実績があるからです。
それは、
Ⅰ.(初診時の)機能強化加算
Ⅱ.時間外対応加算1~3
Ⅲ.医師事務作業補助者体制加算 の3つであります。
※医師事務作業補助者体制加算については、当協会のコンサルプラスに『医師の働き方改革』タスク・シフト/シェア編 後編 (医師事務作業補助者)が当協会のコラムの中に掲載となっているので参考にして下さい。
さて、まずは、時間外対応加算から、対象患者は、診療所の再診料の加算であります。
来院患者数が多い診療所(整形外科など)は、是非、最高ランクの時間外対応加算1の5点を頑張って狙って欲しいです。
<シミュレーション>
〇計算式
・1日の再診患者数×5点(50円)×22日=1か月の収入
(※22日とは、1か月、週2日休診としての実診療日数)
・例)150名×50円×22日=165,000円/1か月の増収入
165,000円×12か月=1,980,000円/(約200万円)1年間の増収入
となり年間約200万円の増収入になります。
自院のシミュレーションは、医事コンピューターや電子カルテなどの集計システムを使って上記の簡単に計算式に入れ込んでみて下さい。
最高ランクの時間外対応加算1の5点は、基本的に365日24時間体制は流石に厳しいというご意見を聞きます。
しかし、施設基準には、以下の様に記載されております。
① 「診療所を継続的に受診している患者からの電話等による問い合わせに対し、原則として当該診療所において、常時対応できる体制がとられていること。」
② 「また、やむを得ない事由により、電話等による問い合わせに応じることができなかった場合であっても、速やかに患者にコールバックすることができる体制がとられていること。」
という事は、再診患者に対して、必ずしも全て来院させ診察しなくても良いとという解釈は可能かと考えます。
しかも、これは、ちょっとしたヒント(運用方法など)も文章の中に見え隠れしています。
「塵も積もれば山となる』という言葉も御座います。
是非、シミュレーションを、お勧め致します。
さて、次は、(初診時の)機能強化加算(80点)です。
(初診時の)機能強化加算とは、適切な役割分担を目的とした地域におけるかかりつけ医機能を担う診療所を評価するための加算です。
ここでの「かかりつけ医機能」とは患者さんに処方されている医薬品を管理し、服薬指導を行い、診療録に記載することや必要に応じて専門医又は専門医療機関の紹介を行うことを意味します。
また、健康管理に係る相談や保健・福祉サービスに係る相談も受け付けた上で、診療時間外・緊急時の対応方法を提供することも「かかりつけ医機能」としての立派な役割となります。
この考えに基づいて、地域密着型の診療所とそれらを包括する中型・大型の病院のそれぞれの役割をより明確にした上で、かかりつけ医機能を持つ診療所を評価し病院の負担を少しでも軽減するための加算として機能強化加算が設定されました。
(初診時の)機能強化加算は、診療所又は許可病床数が200床未満の病院であって「地域包括診療加算」「地域包括診療料」「小児かかりつけ診療料」「在宅時医学総合管理料」「施設入居時等医学総合管理料」の届出を行っていれば申請可能な施設基準なので、届出漏れがないように注意しましょう。
それでは、(初診時の)機能強化加算は「施設基準のシミュレーション編/後編」で論述します。
つづく