病医院経営の今をお伝えするコラム
施設基準の基礎知識
【施設基準の基礎知識】
はじめに…
「医療機関の収入の殆どが診療報酬である」という定義から、当社は、診療報酬特化型として、査定(減点)・返戻・請求漏れ・施設基準という4つのカテゴリーを専門分野として展開しております。
その中で「施設基準」は、他の3つのカテゴリーと違い、引き算ではなく、足し算の分野に大別されます。
今回から、施設基準について、基礎知識から始め、具体例を基に、シミュレーションや申請方法などを寄稿して行こうと考えております。
『 施設基準の概略とポイントについて 』
〇施設基準とは…
診療行為の中には、保険医療機関が一定の人員や設備を満たす必要があり、その旨を地方厚生局に届け出て初めて点数を算定できるものがあります。
この満たすべき人員や設備を施設基準といい、点数表とは別に厚生労働大臣告示が定められ、また細かい取扱いが通知で示されています。
施設基準の届出が必要なものには、点数表に「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして保険医療機関が地方厚生局等に届け出た~」という一文が入っています。
〇ポイント
① 施設基準は、医療法で定める医療機関および医師等の基準とは別に、健康保険法等の規定に基づき厚生労働大臣が定めた保険診療の一部について、医療機関の機能や設備、診療体制、安全面やサービス面等を評価するための基準になります。
② 施設基準は届出制(手上げ方式)であり、一定の基準を満たした医療機関が診療報酬の加算(インセンティブ)を受けられる基準のことです。
③ 具体的には、「基本診療料」「特掲診療料」というのがその「加算」にあたるもので、それぞれについて項目と基準が明確になっています。この基準を満たしていることを所定の書類により厚生局に届出を行うことによって、それぞれの加算を診療報酬で算定をします。
④ 医療機関の経営の大部分が診療報酬で成り立っている事から、施設基準を算定する事は、事項に述べる様に、
診療報酬の増収や他医療機関との差別化や職員のモチベーションも上げるというあらゆる化学反応が期待出来ます。
➄ 施設基準のルールを守り健全な医療機関運営を行うことで、経営も安定し、施設や設備なども充実して、患者さんにより良い医療を提供する事が出来ます。
【ま と め】
基本的には、一定の人員や設備、施設基準などで、申請出来ますが施設基準によっては、実績期間やある施設基準認可が必要な場合など多種多様にございますが、施設基準は、個々に視点を置けば、それほど難しいものでは御座いません。
点数本にも施設基準の内容等が記載されている書籍もあり、都道府県によって申請方法等の差異があるのを鑑みて、まずは、自都道府県の厚生局に事前に問合せすれば、詳しい内容や申請書類、提出日による算定日などを丁寧に教えて頂けます。
また、既に算定出来る条件を満たしている場合や、あと少しの努力で算定出来る施設基準もあるはずです。
そして、費用対効果などを鑑みるのであれば、判断基準の一つとして、自院のデータを使いシミュレーションするとイメージが湧きます。
ただ、ルール等を必ず順守して管理しておかないと、返還等もあり得ますのでくれぐれもご留意下さい。
追記)
下図に、説明図が御座います。
協会の福岡支部 理事 藤村 徳一先生の作成した資料の一部を提供して頂きました。
こちらの図の方が理解しやすいと考えお願い致し掲載致しました。
以 上