病医院経営の今をお伝えするコラム
『医師の働き方改革』タスク・シフト/シェア編 前編
はじめに…
『医師の働き方改革について』
2024年4月から適用される予定の「医師の働き方改革」、診療時間外や休日にも業務を行う医師が多い現状を変えるために、また長時間労働に陥りがちな医師の健康の確保や、仕事と家庭の両立を実現するために医師の働き方改革が求められている。
この事に関して、2020年診療報酬改定でこれまでの骨子を整理し、厚生労働省は令和4年度診療報酬改定の概要(働き方改革の推進)の中でより具現化し、内容の変更や細分化され、手厚く評価した。
それは、以下の通りである。
【2020年 医療従事者の負担軽減、医師等の働き方改革の推進】
1.地域医療の確保を図る観点から早急に対応が必要な救急医療提供体制等の評価
2.医師等の長時間労働などの厳しい勤務環境を改善する取組の評価
3.タスク・シェアリング/タスク・シフティングのためのチーム医療等の推進
4.業務の効率化に資するICTの利活用の推進
↓
【2022年 医療機能や患者の状態に応じた入院医療の評価 働き方改革の推進
と入院に係る横断的個別事項】
1.働き方改革の推進
① 地域医療体制確保加算、手術・処置の時間外加算1等の見直し
② 夜間看護配置、看護補助者の配置等に係る評価の見直し
③ 医師事務作業補助体制加算、病棟薬剤業務実施加算の見直し
④ 診療録管理体制加算の見直し
2.入院に係る横断的個別事項
医師の働き方改革のメイン部分(主要部分)については、まだまだカスタマイズされる事も鑑みて、他のスペシャリストの先生方に繋いで頂きたい。
私の専門は、医師の働き方改革の中で、タスク・シフト/シェアのチーム医療等の推進の中に「医師事務作業補助体制加算」があるので、この事に関して焦点を当てたいが、まずは、その前に2020年の医師からの看護師、パラメディカルへのタスク・シフト/シェアについて論述したい。
まずは、下図に、特に推進するとしたもの<職種別まとめ>を参照されたい。
その中で、聞きなれた言葉で、特定行為研修などは、施設基準の要件の中でよく出てくる事は皆さんも周知の事であり、施設基準とは、医療機関の機能や設備、診療体制、安全面やサービス面等を評価するための基準であり、他医療機関との差別化や診療報酬での加算というインセンティブも評価される。
特定行為研修取得などは、職員のモチベーションも上げてさらに、経営も安定すれば、患者さんにより良い医療を提供する事が出来る。
これは、まさに一石二鳥であると考える。
また、看護補助者体制加算なども手厚く評価された。
医療に関わる有資格者は無論の事、無資格者もチーム医療の一員となり『医師等の働き方改革』に貢献出来る。
また、診療報酬の包括化の推進やAI・ICT・ロボットなどのDX(デジタルトランスフォーメーション)への変換の促進が進んではいるが、得意とする分野が限られ、まだまだ人的作業の方が上位に立っている。
特に、人材不足の医療機関又は介護施設は、無資格者(事務や看護補助者など)がタスク・シフト/シェアによって一部の業務を補完し、医師、他の全ての職種にも好循環を与える事が十分に可能であると考え、私は、大注目している。
その中で、次回は、医師事務作業補助者の32時間研修を受講したので、上記の事も鑑みながら、中心的に考察する事とする。