病医院経営の今をお伝えするコラム
病床機能報告をミクロ分析する ④ (回復期リハビリテーション病棟の診療実績)
2026年診療報酬改定で、回復期リハビリテーション病棟における質の高い取り組みとアウトカムに対する評価が幅広く見直されました。(上図を参照)
そこで、回復期リハビリ病棟の実績から医療機関の機能を把握する目的で、回リハ病棟を持つA・B・C・D・E・Fの6つの病院の2024年度の実績を纏めてみました。(下図を参照) Excel票は病棟票の様式1と様式2を繋げて加工したもので、H列にあります入院料にフィルターを掛けて、回復期リハビリ病棟のみを選択しました。
それでは下図を見ながら、思うところを書き出してみます。
1. 回復期リハビリ病棟では、脳血管疾患等リハビリ料と運動器リハビリ料の2つの疾患リハが、高い割合で算定されています
2. 早期リハビリ加算、初期加算を算定する患者数は、急性期医療機関ほど多くありません
3. 回復期リハビリ病棟入院料3・4においては、休日リハビリ提供体制加算が算定されています。(2026年改定で、入院料3・4についても休日のリハビリが要件化されました)
4. 回復期リハビリ病棟では、退院前訪問指導はほとんど行われていないようです。(ただし2026年改定で、退院前訪問指導料が出来高算定できるようになりました。また、新設された回復期リハビリ強化体制加算の施設基準で退院前訪問指導が一定数求められることから、今後注目される診療行為となりました)
5. 次に、平均在院日数を分析してみます。回復期リハビリ病棟では、疾患・状態によって算定上限日数が異なることから、ザックリとしたものですが、私は以下の計算式を用いて、「平均在院日数係数」を独自に算出し、評価を行っています。
・脳血管リハ割合 = 脳血管リハ算定患者数 ÷ (脳血管リハ算定患者数 + 運動器リハ算定患者数)
・運動器リハ割合 = 運動器リハ算定患者数 ÷ (脳血管リハ算定患者数 + 運動器リハ算定患者数)
・平均在院日数係数 = X ÷ Y
平均在院日数係数は、下記のXの値をYの値で除して算出します
X = 当該病棟の平均在院日数 ÷ (150×脳血管リハ割合 + 90×運動器リハ割合)
Y = AVERAGE【東京都の全ての回リハ病棟の(平均在院日数 ÷ (150×脳血管リハ割合 + 90×運動器リハ割合))】
※ 平均在院日数係数が1.00を上回り、更に大きくなると在院日数は“長い”と考えられ、実績指数は上昇しにくくなります
6. 平均リハビリ単位数は、医療機関の間で大きな格差が生じています。リハビリ単位数が“少ない”病棟では、やはり実績指数は上昇しにくくなります
7. 回復期リハビリ病棟では、一定の重症患者割合(入院時)が求められます。また、重症患者の改善割合(退院時)も長い間求められてきましたが、実績指数と重複する観点から、2026年改定で要件削除になりました
8. 益々のアウトカム重視が予測されることから、実績指数を上昇させる取り組みが重要です。2026年改定で、回復期リハビリ病棟入院料1では42以上の実績指数が求められました。また、新設の回復期リハビリ強化体制加算の施設基準では、48以上の更に高い実績指数が求められることになりました。更には、実績指数が2回連続して30を下回った場合には、1日につき6単位を超える疾患別リハビリ料は、回復期リハビリ病棟入院料等に包括されことになりました
9. 回復期リハビリ病棟では、常に一定以上の在宅復帰率が求められます。退棟先で「他の病院、診療所へ転院」や「介護老人保健施設に入所」の割合が高い医療機関では注意が必要です
新たな地域医療構想では、専門等機能として、集中的なリハビリテーションの提供が期待されています。地域の回復期リハビリ病棟の実績を比較・評価して、求められる医療機関像を描いてみてはいかがでしょうか?

