病医院経営の今をお伝えするコラム
2022年4月診療報酬改定予測などのロジックについて PRAT4
『診療報酬改定調整が本格化!』
はじめに
厚生労働省は、12月3日薬価改定の基礎資料となる薬価調査を公表した。
病院や薬局での医薬品の公定価格(薬価)が仕入れ値より平均7.6%高かった。
この結果、薬価引き下げは確定的となった。
これは、本体と薬価を併せると過去4回の改定でも全体的にマイナス改定となっている。
今回は、薬価の引き下げがすでに決定という事から考察したい。
まずは、上図の「患者の為の薬局ビジョン」を参考にして頂きたい。
厚生労働省は、調剤薬局を対人業務の推進強化などの為に評価してきたが、院内処方と院外処方(調剤薬局)を比べると院外処方は1.5倍の医療費が多くかかるとして、はしご外しの声もあげている。
その要因のひとつの中に、特区ではAIによる服薬指導が試験的に行われており、新型コロナウイルス (COVID-19)感染拡大からからセルフメディケーション※1が完全に国民に認知されている。
セルフメディケーションのメリットの考え方として、医療機関の受診ではコロナ感染の可能性が高いのではという考えと、待ち時間がない事や、医療機関へ受診しても院外処方であれば同金額、もしくは安くなる事もあるのではないかという考え方がある。
さらに、医療機関で処方してもらう場合と、市販薬を薬局やドラッグストアで購入した場合では、患者負担にほとんど差がなかったということも健保連も発表しており、受診抑制が行われ、黒字になった健保連も存在した。
因みに、セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)も2017年1月1日から2021年12月31日までとなっている。
継続されるようなら下図の様な医療用医薬品からの保険外しもあるのだろうか?
さて、患者の為の薬局ビジョンは、平成27年10月23日公表されたもの、今一度見直しする方が薬価を引き下げるという時限的な手段も良いと思うが、優先的にかつ早急に対応するべきではではないかと私は思う。
それは、地域包括診療料・加算の施設基準において満たすことが困難な要件の中に院外処方における 24 時間対応可能な薬局との連携の難しさもあった。
さらに、薬の飲み残しなどをお金に換算すると、75歳以上の高齢者の分だけでも年間で約500億円分になるとも言われているという記事も過去にあった。
薬局の再編こそが、最重要課題だと重ね重ね言葉にしたい。
さらに、現状の皆保険制度を維持していくためには全て政治や政策任せにするのではなく、国民全員の協力・努力などが必要であり、その傍で、自己負担金が増えることや、保険料の引き上げが起こる事も我々一人一人が理解しなければならないと考える。
※1セルフメディケーションとは、「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」と定義しています。
【追記】
「患者の為の薬局ビジョン」の副題として、「門前」から「かかりつけ」、そして「地域」へという事は、日本と同じ社会保険方式をとるドイツの薬局のような、ドラスティックな政策への可能性はどうだろうか?
現在では、大手ドラッグストアチェーン店の勢いが止まらない。
医薬品以外の日常生活用品、食品など1店舗で完結出来るように品揃えをし、ポイントの大還元セールや、調剤薬局も併設、全国的に店舗拡大が著明であり、大型スーパーも苦戦している。
そして、これに同調する職業として、個人的に注目したいのは、医薬品登録販売者(登録販売者)資格である。
これに似たような資格がドイツにもあり、大手ドラッグストアチェーン店などで優遇される。(ご興味のある方は当会社ホームページhttp://yuumei-consulting.com/(プロフィールにリンクが貼って御座います。)にてご照会下さい)