病医院経営の今をお伝えするコラム
ワクワクを引き出す求人票 ―医療機関における「仕事内容の具体化」と「キャリアの見える化」

医療・介護業界の「採用難」は厳しくなる一方。
「応募が来ない」「若手がすぐに辞めてしまう」という声をよく耳にします。
でも、実際の求人票を見ていると、求人票の書き方が応募を妨げているのではと思うことも少なくありません。
よく見かける求人票は、給与や勤務時間といった条件を淡々と並べただけのもの。あるいは「アットホームな職場です」「やる気のある方歓迎」といった抽象的な言葉だけが目立つケースも少なくありません。
しかし、これでは応募者は実際の仕事をイメージできず、不安や不信感を抱き、応募につながりにくくなります。
【職種の書き方ひとつで応募が変わる】
一方で、仕事内容を具体的に書き込むと印象は大きく変わります。
たとえば、「職種」+「仕事の内容」をきちんと書くことで
応募は大きく変わります。
●応募のない求人票の代表例
「職種:外来での看護補助業務」
「仕事の内容:整形外科の有床クリニックでの看護補助業務」
これでは、未経験者には全く想像もつきません。
●応募がある求人票
「職種:看護補助/未経験可/子育てママも働きやすい職場です」
「仕事の内容:下記の項目ごとに2、3行仕事の内容を具体的に説明」
・患者さんの案内と誘導
・診療・検査の補助
・環境整備
未経験者でもOKの場合は、日々の業務をイメージしやすくすることで私でもできるかもと応募に繋がります。
【成長をイメージさせる】
さらに重要なのは、入職後の「成長の見える化」です。
未経験者は、どうやって仕事を身につけるのか、また、将来のキャリアアップの可能性を示すことで、言われたことだけをやる補助者ではなく、自らの成長をイメージできるとやる気のある人が応募します。
・入職後はプリセプター制度で先輩が1対1で指導
・2年目には専門外来やリーダー業務を担当
・将来的には、進学支援制度を利用し、准看護師・看護師を目指す、看護の知識を活かして介護福祉士を目指す、医療事務や医療秘書を目指す
このように成長のステップを明記すれば、「ここで働いたらどう成長できるか」が伝わり、応募意欲が高まります。
【求人票は職場を評価される広報ツール】
医療機関の求人票は、単なる条件表ではなく「組織の広報ツール」です。
安易に「やる気・成長」などの言葉を並べるのではなく、教育体制やキャリアプランを具体的に提示することで、信頼を生み、離職防止にもつながります。
求人票は、経営者のビジョンと求職者の未来を結ぶ約束の一枚。
「どんな未来を一緒に描けるか」を示すことで、医療現場に共感と意欲を持つ人材を惹きつけることができます。
「応募がない求人票」の9割は、書き方次第で応募がある求人票に変えられます。
書き方次第で、ハローワークや無料のIndeedからも欲しい人材を採ることはできます。