病医院経営の今をお伝えするコラム
【求人票の「見せ方」を変えるだけで応募は増える】

先週、2つの採用セミナーに参加しました。
痛感したのは、
「待遇を大きく変えなくても、伝え方を変えるだけで応募は増える」ということでした。
医療機関や介護事業所でも「募集を出しても全然来ない」という声を多く聞きます。条件そのものを大きく上げることが難しい現場だからこそ、「求人票の設計」がより重要になります。
【医療機関・介護事業所の具体例から学ぶ求人票改善のヒント】
たとえばクリニックで「年間休日」でアピールする方法。
変形労働時間制を活用し、診療時間を調整して週休2日+祝日+夏季・年末年始休暇を含め、就業規則でしっかり休日数を提示する。
「年間休日120日」と書くだけで、応募を比較検討する人の目に留まります。
年間の労働時間を変えずに、週ごとの労働時間を調整して「年間休日120日」を確保して、応募が増えた事例もあります。この場合は就業規則の変更も必要なので、社会保険労務士さんに相談しましょう。
【仕事を細分化して募集】
介護事業所やクリニックの「何でも屋」的な募集も要注意です。
例えば「受付・医療事務・SNS広報担当」などをまとめて一人に求めるとハードルが高くなり、応募がありません。
これを「医療事務」「受付」「SNS担当」に分けてパート募集に切り替えたところ、子育て中の女性などから複数応募があった事例もあります。
【正職員にこだわらない】
看護師の正職員募集が難航したケースでは、「パート可」に条件を変更したところ、ブランクがあってもフルタイムに近い時間で働きたい看護師が応募し、現場が安定したという事例もあります。
【医療・介護業界こそ「仕事の切り分け」と「多様な方設計」を】
私自身、働き方改革アドバイザーの現場で同じような課題に何度も向き合ってきました。
「うちは条件を変えられない」と思い込む前に
・求人票の表現を具体的にする
・仕事を役割ごとに切り分けて募集する
・パート・短時間勤務・子育て世代向けの柔軟な働き方を設計する。
これだけで応募数も人材のマッチ度も変わります。
人手不足が続く今だからこそ、「誰に、どんな形で仕事をお願いするか」を考え、働き手の目線で求人票を再設計することが重要です。
最近は、募集文書だけでなく、「どんな職場では働くのか」「院長先生はどんな人か」「雰囲気はどう?」と求人票を見た後で、ホームページやSNSをチェックする求職者も増えています。
求人票にはいいこと書いてあるけど、本当はどう?と確認する心理です。労働条件をよくしなければ採用できないと思わないで、自社で働く魅力をスタッフに確認し、ホームページ・SNSでお伝えしましょう。
