病医院経営の今をお伝えするコラム
ベースアップ評価料と生産性向上・職場環境整備等支援事業給付金』 について

はじめに…
皆様、お久しぶりです。
令和6年度の診療報酬改定は、私のコラムのバックナンバーを見ていただければ解りますが、『ベースアップ評価料』などで、外見上はプラス改定としておりますが、それを差し引くと「実質上マイナス改定」であります。
当社は、かかりつけ医機能(200床以下の病院・診療所)を中心に、直近では、特に内科診療所様から増収・費用削減等の多数のご相談に対応しております。
近県であればお伺いも可能ですし、全国でも、ZOOMにて対応させて頂いておりますので、よろしくお願い致します。
さて、期中改定の内容や4月から始まる『かかりつけ医機能報告制度』などの情報をコラムにアップしたいのですが、今回は、補正予算案(可決済)の中で、4月までにまだ間に合う『ベースアップ評価料』に焦点を当てて、情報の開示をして行きたいと存じます。
『勿体ないお化け』
ベースアップ評価料Ⅰの算定医療機関(小規模の無床診療所「以下クリニック」)は、関東近辺では、約30%位との資料を目にします。
なぜ、施設基準申請の手上げをしないのかは、おおよそ3つの要因があると考えられます。
① 事務員などが、対象になってないから、不公平である。
疑義解釈には専ら事務作業(医師事務作業補助者、 歯科業務補助者、看護補助者等が医療を専門とする職員の補助として行う事務作業を除く)を行うものは含まれないとされております。
※専らとは
「専ら」とは、勤務時間の8割以上を特定の業務に使うことが求められる職員を指します。「専従」と「専任」の間に位置し、主に特定の業務に従事するものの、わずかに他の業務に携わる余地も残されています。
ここでは、問診や患者さんの呼び出しなどの通常の補助業務は、されているのであれば対象になるかと考えます。
② 申請方法が煩雑である。
令和7年1月に、より簡素版が発表され、なんと、1か月分の初再診数を入れるだけで、ほぼ申請書が完成致します。
【資料等の検索方法】
厚生労働省 ベースアップ評価料<ベースアップ評価料等について<説明資料・説明用動画、届け出様式などのページが出てきます。
また、厚生労働省以外にも、沢山の動画が出ておりますのでご参考にして下さい。
③ 次回の診療報酬で廃止等になり、よりクリニックの人件費などの負担等(持ち出し)が増えるのではないか。
この件に関しては、私、個人的な見解では、直ぐに、はしご外しはないように考えます。
その理由として、前記の述べた診療報酬の外見上のプラス改定と、さらに物価等の高騰、特に医業(医療や介護)は、有資格者集団で構成されており、人材不足は深刻で人件費との補填策、その2つのあわせ技、これは、流石『厚生労働省』といわざるを得ません。
後は、例えば、療養担当規則や4月から始まる『かかりつけ医機能報告制度』の要件に入る事も十分に考えられそうですね。
さらに、追い風のように、ベースアップ評価料の施設基準を取得促進の為、下記の事項をご参考までお知らせ致します。
『ワンチャン(ワンチャンス)ありか?』
さて、補正予算案(可決済)のひとつに医療施設等経営強化緊急支援事業がありその施策の中に、『生産性向上・職場環境整備等支援事業』があります。
事業の目的として、本事業は、人材確保が喫緊の課題となっている中で、限られた人員でより効率的に業務を行う環境の整備費用に相当する金額を、給付金として支給することにより、業務の生産性を向上させ、職員の処遇改善につなげることを目的とするとしております。
(つい最近、令和7年度予算に繰越を行うことにより対象期間を令和6~7年度の取組(R6.4.1~R8.3.31)を対象とする予定と変更になりました)
条件としては、ベースアップ評価料を算定している医療機関等とされておりますが、まだ、未算定でも、なんと!令和7年3月31日時点でベースアップ評価料の届出をすれば可能との事です。
そこで、是非、今ならまだ間に合うので、ベースアップ評価料の施設基準の取得を考えてみたらどうでしょうか。
最後に、
※各都道府県単位で温度などがございますので、必ず事前にお問い合わせ下さる様にお願い致します。
また、情報は、日々書き換わっております、さらに翌日には、一変している事も御座います、予めご了承下さい。
【資料等の検索方法】
厚生労働省 医療施設等経営強化緊急支援事業<生産性向上・職場環境整備等支援事業に関するQ&A(第1版)
【次回予告】「かかりつけ医機能医療機関の戦略的診療報酬の増収と効率化」としたいと存じます。
以 上
