病医院経営の今をお伝えするコラム
2024年診療報酬改定 診療所編 PART : 02 【マイナス改定対応策】
はじめに…
『贈り物(点数)』
前回のベースアップ評価料の件だが、某事務長会でも様々な意見があり、「侃々諤々」となった。
その内容は、「施設基準の申請と管理=適時調査」「職員のモチベーション=入退職・転職」「明細書に記載された患者への説明=患者負担金」など、私としては、あまり、多くの事は語りたくないが、6月からきっちりと「頂けるものは頂きましょう」この言葉に尽きる。(まだ、語り足らないがコラムの原稿上ここまでとしておく)
さて、今回は、次回予告させて頂いた、3.生活習慣病を中心とした管理料、処方箋料等の再編等▲0.25%を中心に行います。(【Menu】表は前回投稿の2024年診療報酬改定 診療所編 PART : 01を参照して下さい)
『どうなる院外処方』
では、本題に入ります。
まず、今回のマイナス改定で一番の台風の目は、処方箋料68点→60点(-8点)である。
これは、院外処方箋を発行している全診療科に影響を及ぼすだろう。
もうご存じかと思うが、この関連のフラグは以下【Menu5.と6】表の中に具現的に示されている。
今回の改定もそれぞれのKPI「重要業績評価指標」がシームレスな関係を構築している。
【Menu5.と6】
5.(新設)新たな選定療養費 長期収載品の保険給付の在り方の見直し
6.(変更)医療機関の敷地内にある調剤薬局の同一敷地内減算
『一石〇鳥』
・基本診療報酬増収版(案)
全ての診療科で、処方箋料の-8点は、大きいと存じます。
まず、初診料+3点・再診料+2点は、事務員などのベースアップの原資の為、計算式には含みません。
① 医療DX推進体制整備加算8点(初診時のみ)、電子処方箋の体制などが出来てれば可(処方箋-8点をクリア)
② マイナ保険証の活用は、事務作業の効率化・効能化・合理化などが可能
③ 上記と並行し、利用率を上げられ「マイナ保険証利用促進の医療機関への支援金」のインセンティブあり
④ 一般名処方加算が1・2共に+3点上がっている
点数的には、初診時は①でクリアしますが、④の+3点の増収となります。
再診時は、例えば時間外対応加算1(再診時+5点)の初期対応は、常勤事務員、看護師などがドクターにコールバックでも可であり、かなり要件が緩和されております。
次に、再診時の院外処方の減算については、一例として、上記の一般名処方加算が1・2共に+3点と時間外対応加算1(再診時+5点)=合計8点で、クリア出来ます。
今後は、施設基準(手上げ方式)・医療DXなどに特化していくかがより重要なキーポイントとなる事は間違いありません。
『数字のマジック』
最後に、皆さんもご存じの事、今回の改定で管理料の重複算定等が問題になり、特定疾患療養管理料から高血圧症・糖尿病・脂質異常症の3病名(3病名の合計は97.8%で、殆どを示す)が外され、生活習慣病管理料(Ⅱ)が新設されました。
しかし、下図を見てみると、(新)特定疾患療養管理料と(新)生活習慣病管理料(Ⅱが)同点となります。
これは、意図的に作られた「数字のマジック」としか表現出ませんか。
しかも、例えば28日処方の、100床未満の病院なら+65点・100床以上~200床未満の病院なら+125点増収に転じます。(一般名処方加算+3点を含む)
いかにも、内科診療所を狙い撃ちされた改定でありますね。
(個人的意見ではありますがコロナ渦で自ら感染等の危険性も顧みず、感染拡大の最大の功労者に対し、どうかと思います)
だがしかし、「改定された現実」これに対応・対処する方法は、いかにミニマムでも頑張って、塵積って山となります。
よって、【次回予告】として内科を中心として他診療科などの経営企画(案)を提案致します。
以 上
追伸)当社は、診療報酬(医療と介護)に特化しております。
ベースアップ評価料なども対応可能です。
(協会員の方も)ご質問やご相談は、随時対応可能です。
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