病医院経営の今をお伝えするコラム
2024年診療報酬改定 診療所編 PART : 01
はじめに…
皆さん、おひさしぶりで御座います。
例年よりも、お陰様で多数のクライアント様から講演や講師、資料作成などの依頼があり、やっと少し落ち着きましたので、例年通り診療報酬改定の投稿致します。
まずは、『診療報酬改定は、マイナス改定に…財務省主張 診療所の経営「良好」』からのスタートです。
これで、全体での5期連続のマイナス改定が決まりました。
そして、全世代型社会保障改革の基幹ともなる、医療費の膨張を抑え、少子化対策の財源確保につなげる考えもあるという事です。
しかし、昨今の食材料費、光熱費をはじめとする物価高騰の状況、30 年ぶりの高水準となる賃上げの状況などといった経済社会情勢は、医療分野におけるサービス提供や人材確保にも大きな影響を与えております。
こうした中、令和6年度診療報酬改定では、医療従事者の人材確保や賃上げに向けた取組として、特例的な対応を行うとしました。
最終的には、令和6年度診療報酬・薬価等改定は、医療費の伸び、物価・賃金 の動向、医療機関等の収支や経営状況、保険料などの国民負担、保険財政や国の財政に係る状況を踏まえ、以下のとおりとする。(1 については令和6年6月施行、2については令和6年4月施行(ただし、材料価格は令和6年6月施行))の2階建て、そして、因みに2025年9月30日で75歳以上2割負担の配慮措置が終了致します。
1.診療報酬 +0.88%(国費 800 億円程度(令和6年度予算額。以下同じ))
※1 うち、※2~4を除く改定分 +0.46%
各科改定率 医科 +0.52%
歯科 +0.57%
調剤 +0.16%
40 歳未満の勤務医師・勤務歯科医師・薬局の勤務薬剤師、事務職員、歯科技工所等で従事する者の賃上げに資する措置分+0.28%程度)を含む。
※2 うち、看護職員、病院薬剤師その他の医療関係職種(上記※1を除く)について、令和6年度にベア+2.5%、令和7年度にベア+2.0%を実施していくための特例的な対応 +0.61%
※3 うち、入院時の食費基準額の引き上げ(1食当たり 30円)の対応(うち、患者負担については、原則、1食当たり 30 円、低所得者については、所得区分等に応じて 10~20 円) +0.06%
※4 うち、生活習慣病を中心とした管理料、処方箋料等の再編等の効率化・適正化 ▲0.25%
2.薬価等
①薬価 ▲0.97%(国費▲1,200 億円程度)
②材料価格 ▲0.02%(国費▲20 億円程度)
合計 ▲1.00%(国費▲1,200 億円程度となった。
さて、当社の得意とする「かかりつけ医機能、200床以下の病院と診療所」を中心に、特に『診療所』について、池〇流、簡単に、解かりやすく、ロジックしエビデンスして行きます。
【Menu】
1.(新設)医療従事者の賃上げの原資となる『外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)(Ⅱ)』
2.(促進・強化)医療DX
3.(変更・改編)生活習慣病を中心とした管理料、処方箋料等の再編等▲0.25%
4.(制定) 令和7年4月施行、かかりつけ医機能報告制度の創設(医療機関の機能分化)
5.(新設)新たな選定療養費 長期収載品の保険給付の在り方の見直し
6.(変更)医療機関の敷地内にある調剤薬局の同一敷地内減算
さて、今回の改定について一番多かった質問は、『外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)(Ⅱ)』でした。
医療従事者の賃上げの原資となる初・再診料、入院料等のプラス改定はある程度の理解出来るのですが、同評価料は、これまでの助成金や補助金などの現金給付でなく、診療報酬に入れたというのが、驚きでした。
そうなれば、患者負担金にも反映、施設基準での縛り、いつもの様に絶妙な画策、もはやいう事は御座いません。
さて、同評価料の概要と外来の簡易的計算式(医科)は下図を参考にして下さい。
実は、そちらを見て頂いた方がガイドラインに添って作成しているので私の説明より理解しやすいと考えます。(因みに、歯科・訪問看護バージョンは別に厚生省のホームページ、令和6年度診療報酬改定説明資料等についてに御座います)
また、医療DXの基盤であるマイナー保険証の促進・支援策もご参考までご案内いたします。
※2024/03/05 現在の資料を基に作成致しましたので、今後変更等の可能性や、疑義解釈で変更等もございますので、予めご了承下さい。
【 次 回 予 告】
Menu3~6を、特に3.生活習慣病を中心とした管理料、処方箋料等の再編等▲0.25%を中心に行う予定です。
ご質問等が御座いましたなら、当社までお問合せ下さい。
以 上