病医院経営の今をお伝えするコラム
ポストコロナ時代のクリニック採用戦略

コロナが収束し、患者が受診控えから戻りつつありますが、クリニックの採用はますます困難になっています。採用に費用をかけても適切な人材を獲得できない、採用した人材がすぐに退職してしまうという悩みを抱えています。ポストコロナ時代のクリニック採用戦略を考える上でのポイントをご紹介します。
■患者の受診行動の変化
コロナの影響で、患者の受診行動は大きく変わりました。その中でも最も大きな変化は、患者が事前にスマートフォンで医療機関の情報を調べる習慣が生まれたことです。紹介されたとしてもすぐに来院せず、必ず自分でクリニックのホームページやSNSをチェックします。ホームページで必要な情報が見つからないと存在しないものとして扱われ、ホームページのないクリニックは新患を獲得しにくくなります。
スマホでの検索習慣は、求職行動でも同様です。スマホを駆使して求人情報を探し、応募を検討します。クリニックの広報戦略は、オンラインでの情報提供が不可欠です。
■スマホ時代の求職者心理
求職者が応募を決定する際、最も重要なのはスマホに表示される求人情報のトップページの情報です。求職者が求める情報が不足していると、詳細ページは見ません(STEP1)。詳細を見てもすぐに応募しません(STEP2)。必ずクリニックのホームページやSNSで情報を確認します(STEP3)。クリニックの診療方針や取り組みを紹介する広報活動を適切に行っていないと、求人方法だけを改善しても採用できないというのが、コロナ後の特徴です。
■インディードとジョブメドレーを活用する
比較的採用がうまくいっているクリニックでは、ホームページやSNSを使った広報活動に加えて、インディードとジョブメドレーという求人媒体を上手に活用しています。
■インディードの活用
インディードは、アメリカ発祥の世界最大の求人検索エンジンで、日本では2017年からリクルート傘下に入り広く知られるようになりました。従来のWeb求人サービスとは異なり、求人検索エンジンであり、Googleの求人です。求職者は簡単に条件に合った求人情報を比較しながら検討します。自院の求人広告がインディード上でどのように見られているのかを意識しながら効果的に展開することが重要です。
■ジョブメドレーの利用
ジョブメドレーは、完全成功報酬型の求人サイトです。求人の掲載費は0円で、採用が成立した場合にのみ、職種ごとに設定された費用を支払います。ジョブメドレーでは、求職者目線でクリニックの魅力を伝えるための求人文書作成サポートが充実しています。応募が少ないという悩みを持つクリニックは、ジョブメドレーの求職者に訴求力のある求人情報を参考にすることをお勧めします。
■求職者目線の求人票のつくり方
欲しい人材が応募してくれない理由は、クリニックの情報発信不足が一番です。求職者目線でクリニックの魅力を具体的に記載することで、応募者を増やすことができます。以下は求職者目線の求人票の記載ポイントです。
• 職種・仕事内容
• 事業内容
• 特徴
• 働きやすい環境
• 研修制度
• 写真・動画・URL
求職者目線で求人情報を作成することで、応募者の関心を引き、採用の成功につなげることができます。
求職者の行動パターンの変化に合わせて、クリニックの採用戦略も変わらねばなりません。インディードやジョブメドレーの活用、求職者目線での求人情報の提供は、採用活動を効果的に支援します。また、採用活動と広報活動を同時に改善することで、クリニックの成功に寄与します。ポストコロナ時代において、戦略的なアプローチが求められています。
